○バイトを研ぐ
こんにちは
私にはブログが3つあります。
加工や日常生活のこと
技術伝承のこと
オーディオのこと
それぞれ、内容を分けています。そのほうが読んでもらっている方に
興味のあるところを見ていただけるかな、と思ったからです。
たまには興味のない方も、チラッと見てくださいね(笑
さて、7/22 にブログ「鉄職人、温故知新のものづくり」にアップ
しましたが、今後にとって大変重要なことと私は思い、
このブログでも、取り上げることとします。
記事の内容は、リンクしますので、お読みでない方は下をクリックして下さい。
内容を要約すると、型番は同じで、新素材のチップになってから、
切子の出方がおかしい。と言うものです。ブレーカ形状等、一切の
変更はないことをメーカーさんに確認済みです。
最初にお断りしておきますが、メーカーさんの批判ではなく、
各方々に、真実を見つめてもらいたいという私の思いの記事です。
ブログ「鉄職人、温故知新のものづくり」では、
手でバイトを研ぐ技術や、切れ味の見極め方を指摘しました。
このブログでは、切削抵抗がどのように影響を与えるかと、
切削テストのことを書きたいと思います。
うちで切削テストをしましたので、そのときの写真を公開します。
どちらも条件は同じです。
ワーク材質 S45C マルH 切削条件はメーカー指定内です。
①以前のチップの材質
②新素材のチップの材質
どうでしょう。写真がうまく撮れていませんので、わかり辛いですが。
・切削風景を上から見て、
①の切子は縦方向に巻いている。
②は横方向に巻いている。
・ワークが削れて、切子になった時の方向が、
①は手前(作業者)の方向。
②は①より作業者の右側の方向(テールストック側)。
・チップブレーカーに当たる寸前の切子が、
①は立っている。
②は横になっている。
以上の違いがあります。これは全て同じことが原因です。
切子が横に巻くと、汎用旋盤では、品物に絡みつきどうしようもありません。
また、このような研ぎ方をすると、切削抵抗が大きくなってしまいます。
メーカーの批判をしているのではなく、
各方々に、実際に削って解ってもらいたいと思っています。
この②のチップをNC旋盤で使用しても、切子が巻くことは、おそらく
ないでしょう。切削液を高圧でかけますから。
しかし、切削抵抗からは、逃れられません。いろいろと問題が起こると思いますが、
その原因がはたして、この切削抵抗だと、汎用旋盤の経験の無い方に解るだろうか。
おそらく無理でしょう。理由は、切削液で切子の出方が解らないからです。
自分でバイトを研ぐ方は、切れ味をいろいろな方法で確認します。
その経験で、様々なことを勉強し、知識を付けていきます。
私が何度も取り上げてる、切削面の光沢も同じです。
つまり、事実をきちんと後世に伝えられていないと思うのです。
バイトの切れ味をきちんと把握しましょう。
ぴかっと光った、鏡のような切削面は、バイトがほんの少し切れていないのです。
本当に切れていれば、白みがかった色になります。(S45Cなどが解りやすい)
最近の検査の方などは、そのような切削面は、バイトが切れていないと言います。
きれいというのは、人それぞれなのでいいと思いますが、
バイトが切れていないのは、間違ってます。真実を見つめてもらいたいものです。
今回のメーカーさんの対応も、かたくなに切削テストを拒否しました。
切削面の色もバイトの切れ味も、実験すればすぐに解ることなのに、
なぜかしません。
良いものを作ろうと言う心が大切だと思います。
コメントをお書きください
マキノ (金曜日, 24 7月 2015 07:59)
おはようございます
ロウ付けバイトを成形するという(グラインダーとお友達になる)という発想と汎用で加工するという方向にメーカーはそちらを向いていないので、逆にそうだから"楽ができる"ということもあると思います
うちもわざわざ刃物を作るという事を結構やってます
ブログには載せませんが(企業秘密だからw)メーカーのやる事と逆やりましょう~♪
鉄職人 (金曜日, 24 7月 2015 08:56)
マキノさん
おはようございます
メーカーがやらないことをする。そうですね。「他社さんと違うことをする」ですね。
何かに特化する。他社さんと差別化。同感です。
私の場合、独立してからずっと、メジャー路線は行かないと決めてました。
メーカーのやる事と逆やります!
今、私がすべきことは、「営業」。その中でも知名度を上げることと思っています。
私の苦手分野ですが、やれることから、少しずつ始めてます。
ブログにどこまで載せて良いのか、難しいですね。
今回も、チップの良くない原因を載せるか迷いました。
載せた場合と載せなかった場合を私なりに考え、載せませんでした。
「技術」を真剣に、まともに、真っ直ぐに、考えてもらいたいとの思いからそうしました。