〇グラインダー
今回は、私が通常使ってる
「グラインダー」
について書かせたもらいます。
二頭式のを四台使ってます。
右端のは自作です。
荒挽き以外は、ほとんど手研ぎのバイトで
加工してますし、
職人としても、大変重要な部分(場所)です。
通常この場所は、誰にも見せません。(工場の外に設置してます)
親父が、砥石にうるさかったので、その流れを受け継いでます。
まず、おもに超硬用に、通称「アオトー」が5枚
次に、おもにハイス用に、通称「アカトー」が2枚
最後に、アングルなどのバリ取り用に通称「レジノイド」が1枚
バイトを研ぐ時は、これらの砥石とグラインダーの組み合わせにより、
使い分けてます。
「バイトの切れ」
と同様に、
「砥石の切れ」があります。
ここ一番の時には、右端の自作のグラインダ-にインバーターをつないで、
回転をあわして研ぎます。
グラインダーの高さが違うのも用途によるものです。
アオトーやアカトーも一種類ではありません。
わざわざグラインダーを自作する人は、そうはいないと思いますが、
作ってみてください、一味違います。
それ以外にも、このグラインダー周辺には、昔ながらの職人技が
いっぱい詰まってます。
私の職人人生で、ここでどれほど悪戦苦闘したことか
解りません。
自作グラインダーのモーターの下に、
砥石と金敷(かなしき)(親父はこう呼んでました)があります。
金敷は、バイトを「火造る」時に使います。
コークスで真っ赤に熱したハイスをこの上で、ハンマーで叩きながら
自分の望む形に鍛造し、荒研ぎをし、その後焼入れをして、バイトを作ります。
この焼入れは、自分でします。
決して熱処理屋さんには出しません。
今時、□1/2や□5/8や□インチの、生のハイスを
火造りバイト用に在庫してるところは、まずないでしょうね。
うちは、まだ「火造り」出来ます。
コークスをいこす炉も自作で現役です。
(コークスに火をつけることを「いこす」と言います)
その右に重ねて置いてある砥石は、使い終わったのではなく、
研ぐバイトによって、合う砥石に取替えて使うための、ストックです。
金敷の上にあるアオトーの割った砥石も用途があります。
砥石を割って使ってる人、ほんと見なくなりました。
昔ながらの技が消えつつあるのが、寂しく、
そしてもったいなく、やり切れません。
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